
立場にかかわらず「問い」で変化を生み出す、新しいリーダーシップの形を探っています。
業界も分野も違う仲間が、お互いの職場や地域を訪ねあい、学び合う「大人の部活」です。






まずは、ひとつ試してみてください
いま、あなたが座っている「お尻の感覚」は、どんな感じ?
あなたがいる空間に、「赤いもの」はいくつある?
いまから三十分のあいだに起きることが、1年後のあなたにとって重大な意味を持つとしたら、それは何だろう?
問いをひとつ受け取るたびに、注意の向かう先が、からだへ、部屋へ、そして未来へと動いたのではないでしょうか。研究会の当日も、この小さな実演から始めました。
問いには、人の注意や意味づけを変える力があります。そしてその力は、実際に世界を変えてきました。
もし、動いているのが地球のほうだとしたら。
もし、人権が一部の人だけでなく、誰にでもあるとしたら。
もし、子どもが小さな大人ではなく、独自の世界を生きているとしたら。
もし、この弱い接着剤を、よいことに使えるとしたら。
もし、千曲をポケットに入れて持ち歩けたら。
これらの問いは、私たちの世界に新しい問題をつくり出し、新しい解決策を生み出してきました。私たちはいま、その問いの後の世界を生きています。

問いの力は、どちらにも向く
では、この力はいま、どんなふうに使われているでしょうか。
「なんでまだできないの?」「誰のせいなのか?」「こんなことで損をしていませんか?」。同じ問いでも、場面しだいで人を励ましもすれば、追い詰めもします。人を動かす力があるからこそ、問いはどちらにも転ぶ。私たち自身も、気づかないうちに、どちらかの使い方をしているのかもしれません。
そしていま、私たちのまわりには、通知やおすすめ、たくさんの情報があふれています。自分の中に問いが生まれる前に、誰かが用意した答えや問いが次々と届く。何に注意を向けるかを、案外、自分では選んでいないのかもしれません。
もし私たちが、この問いの力に、より意識的になり、ずっと向き合いたかった問いを、身近な人と一緒に立て、抱えてみたら、職場や地域で何が起きるのか。研究会では、それぞれの現場で試したことを持ち寄りながら、その可能性を探っています。

いまの仮の定義
問いの力は、リーダーシップとつながっています。リーダーシップと聞くと、大きなことのように感じられるかもしれません。「大事な話を呼びかけること」は、特別な力や権力、人望がある人がやることのように見えます。
けれど、本当に大事な話は、日常の一瞬一瞬に埋め込まれています。隣の席の同僚に何を話しかけるのか。会議の場で、どんな質問を投げかけるのか。
その一つひとつの問いが、私たちの注意の矛先を変え、関係性を変え、やがて組織や社会の変容につながっていく。それが、私たちが「問いのリーダーシップ」と呼ぶものです。
個人の問いの探究から始まり、チーム、組織や社会というシステム全体へと波及していくリーダーシップでもあります。






回ごとに、入口になる問いをひとつ掲げます。品川では「未来が見えない時代の課題設定力とは?」と「あなたにとって大切な話をしませんか?」、江別では地域の水がテーマでした。
実際にもやもやを抱えている人が、自分の現場の話をします。聴く人は答えやアドバイスではなく、気になったことを問いのかたちで書き留めていきます。
テーブルを替えながら、なぜその問いが出てきたのか、どんな経験を思い出したのかを話し、三つを選びます。構造や範囲、前提を変えて問いをこね、答えではなく問いで返す「問いのシャワー」で磨き合います。
一人ずつ問いを読み上げて貼り、言葉は違っても意味が近いと感じたら近くに置きます。集まるところは、この場で熱を持っている問い。離れた問いは、離れたまま大事に置きます。この場というひとつのシステムに、どんな問いが漂っているかを、参加者自身の手で見ていきます。
輪になってふりかえり、自分の現場で試す一歩をひとつだけ決めます。



2024年から約1年間、Art of Hosting を日本の現場で試行錯誤する人たちが、会員制で学び合うオンラインの実践コミュニティ「Art of Hosting Japan 実践者ラボ」をひらいていました。専用のアプリと、会員だけのSNSまでつくりました。ホールシステム・アプローチ、ストーリーテリング、場のオーガナイズ、対話の評価指標(ルーブリック)づくりなど、毎月さまざまな「はたらきのアート」を実験的に稽古するなかで、参加者に自然と選ばれることが多かったのが「問い」でした。
そこから月に1回の「問いの稽古」が生まれ、いまの実践コミュニティ(対面の場に参加した人たちの Discord)の土台になっています。




Art of Hosting の共同創設者 Toke Paludan Møller さんと、グローバルの世話人 Mary Alice Arthur さんが来日し、問いを軸にした場が続いた一週間でした。
“A question is more than just a tool; it’s a doorway to transformation.”




2026年の抱負を「目標」ではなく「問い」のかたちで書き初めし、みんなで聞き合い、磨き合ったあと、OST(オープンスペース・テクノロジー)でひらいた半日。集まった約40人のうち、半数以上がこの輪に初めて触れる人でした。問いを、部活の仲間のように一緒に稽古する。研究会の「大人の部活」という形は、ここで語られたアイデアから来ています。3月の旭川合宿の前夜祭でもありました。




合宿の呼びかけの問いは「ずっと向き合いたかった問いにともに取り組む力を鍛えたら、私たちはどんな未来を今生き始められるだろうか?」でした。その場で、呼びかけ人の反町が「これからの時代、問いの基礎体力を上げる必要がある。だから本とワークショップをつくって、全国をまわります」と言ったことが、この研究会の発端です。本を一人で書き上げるより先に、みんなで問いと遊びながら筋肉をつける場をひらくことにしました。
半導体工場の排水と、私たちの飲み水。この手の話し合いでは「専門家が勝ってしまう」ことが多いなか、問いを探る話し合いではそれが起きませんでした。一部の人が正義感から啓発するのではなく、好奇心から共に動くつながりが生まれ、みんなで現地視察に行こう、という話にまでなりました。




この日、参加したみなさんがつくった問いの地図です。写真を押すと、付箋に書かれた問いを、貼られた位置のまま文字で読めます。
個人の課題感に留まるのでもなく、専門家による一方的な診断でもない。「これは私“たち”にとって解くべき価値のある課題だ」と思える対象は、組織の中でどう育まれるのか。組織における課題設定のあり方を、みんなで考えた一日です。
ホスト:伊勢田麻衣子・出山実・反町恭一郎




この日、参加したみなさんがつくった問いの地図です。写真を押すと、付箋に書かれた問いを、貼られた位置のまま文字で読めます。
組織や社会の中ではなかなか口にできないけれど、私個人にとって大事だと思う話は、いつするのか。基本のフレームやツールは1日目と同じまま、呼びかけ(入口)だけを変えて、個人の側から問いに近づいた一日です。
ホスト:伊勢田麻衣子・宮崎汐里・反町恭一郎
研究会は、メンバーの職場や地域を会場に、毎回場所を変えてひらいています。「次はうちで」という声も、お待ちしています。
研究会の話し合いのなかで、まだ答えの出ていない問いがいくつも生まれています。どれも、現場で感じた「なんだかなぁ」や「これって、どうなってるんだろう」が出発点です。気になる問いを開いてみてください。同じことを考えてきた先人たちの仕事も、あわせて紹介しています。最後の朱色の3枚は、研究会でまだ言葉にできていない、これからの探究の入口です。
研究会の記録は、ひとつの場所にまとめず、それぞれの書き手のもとに置いています。運営の開催レポートも、参加した人が自分のブログに書いてくれた記録も、ここから読めます。運営の研究日誌は、noteのマガジン「問いのリーダーシップ」にまとめています。
あなたの記録も、ここに置かせてください
参加した回のことを、ブログやnoteに書いたら、リンクを送ってください。運営で読ませていただいたうえで、このページに載せます。感想でも、問いのメモでも、長さも書き方も自由です。
ありがとうございます。リンクを受け取りました。運営で読ませていただいてから、このページに載せます。
送信できませんでした。お手数ですが、入力をご確認のうえ、もう一度お試しください。
ひとりの主催者ではなく、実践コミュニティで呼びかけています。運営も、共感して集まったメンバーが一緒に担っています。
このメンバーは固定ではありません。それぞれのニーズやタイミングに合わせて、関わり方を出したり引いたりしながら続けています。そして、イベントを重ねるごとに運営に加わる人が増えていくのも、この研究会の特徴です。
木川久美子
伊勢田麻衣子
あるがゆう
高柳謙
小川綾
出山実
宮崎汐里
山内健
反町恭一郎職場で参加を相談するときなどに、この概要をそのままお使いください。
ずっと向き合いたかった問いにともに取り組む力を鍛えたら、
私たちはどんな未来を今生き始められるだろうか?
What future might we begin to live today,
if we cultivate collective capacity to work with the questions we’ve long carried in our hearts?
次の場のお知らせ
研究会は、対面の場に一度ご一緒した人たちが集う実践コミュニティです。
次の場のお知らせは、ワークアーツの Peatix でお届けしています。フォローしてお待ちください。
主催:Art of Hosting 実践者ラボ/WORKARTS

参加した一人ひとりが自分の問いを読み上げながら貼り、言葉は違っても意味が近いと感じた人がその近くに貼っていきました。並びは写真のまま残しています。写真から読み取ったため読み違いがあるかもしれません。読めなかった文字は□にしています。「大きく」「小さく」「全体を見る」で表示の大きさを変えられ、付箋をダブルクリックするとその付箋に寄ります。トラックパッドのピンチや、ctrlキーを押しながらのスクロールでも拡大・縮小できます。指2本で拡大・縮小でき、1本で地図を動かせます。